Apple Watchで不整脈を検出する研究『Apple Heart Study』(過去記事)は、心房細動に有効というひとつの決着を見た。アメリカ心臓病学会(ACC: American College of Cardiology)年次総会での発表、そしてFDAからの承認。少なくとも米国においては、既にApple Watchが医療機器であることに疑いの余地はない。
毎年6月恒例の開発者会議WWDC 2019で、Appleが選んだ次の主戦場は女性の健康『生理・月経周期のトラッキング』であった。Crunchbase Newsでは、先行する月経周期アプリのビッグネーム『Clue』『Flo』『Ovia』を引き合いとして紹介し、業界に与える衝撃を予想している。ClueのCEOであるIda Tin氏は「女性の健康増進のため、Appleの参入を歓迎する」と述べながら、利用者数1100万人を擁する同社のサービスに自信をのぞかせている。
後発の自社サービスで、サードパーティ製の先行アプリを飲み込むスタイルは、プラットフォーム提供者としての巨人Appleの姿である。目先の利益を必要とせず、個人の健康情報にはセキュリティ最優先という大義を掲げ、Appleは女性の健康にどのような革新を起こすのか、その答えが楽しみである。