米政府 国家的医療AI戦略をアップデート「さらなる透明性重視」へ

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2019年に入って米国は、トランプ大統領による大統領令「American AI Initiative」への署名や(過去記事)、医療AIコンテストの主導などにより(過去記事)、AIの重点化政策を強力に推し進めている。この度、ホワイトハウスが明らかにした新しい「医療AIに関する国家戦略指針」では、安全で信頼性が高く、透明性の高いAI開発を求めている。

Healthcare IT Newsが今週報じたところによると、新しい戦略計画では、ヘルスケアにおける安全で効果的なAI技術開発を実現するため、8つの指針を明示しているという。これには「AIに関する主導権掌握を見越した長期的投資の必要性」「人的能力を補うようなAI-人関係の模索」「AIの倫理的・法的・社会的影響の理解と対応」などが含まれるほか、信頼性が高く安全なAIシステム構築に向け、アルゴリズムにおけるブラックボックス性の排除や、技術の説明可能性を高めることにも言及されている。

今後、医療AIの実臨床利用が加速することが確実視されるなか、技術単独の先走りを牽制する妥当な提言が含まれている。同レポートでは「キーとなる研究課題は、AIアルゴリズムの説明可能性と透明性の拡大」であることを重ねて明言しており、開発の中心となる企業・アカデミアへも一定の効果が期待される。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。