2019年に入って米国は、トランプ大統領による大統領令「American AI Initiative」への署名や(過去記事)、医療AIコンテストの主導などにより(過去記事)、AIの重点化政策を強力に推し進めている。この度、ホワイトハウスが明らかにした新しい「医療AIに関する国家戦略指針」では、安全で信頼性が高く、透明性の高いAI開発を求めている。
Healthcare IT Newsが今週報じたところによると、新しい戦略計画では、ヘルスケアにおける安全で効果的なAI技術開発を実現するため、8つの指針を明示しているという。これには「AIに関する主導権掌握を見越した長期的投資の必要性」「人的能力を補うようなAI-人関係の模索」「AIの倫理的・法的・社会的影響の理解と対応」などが含まれるほか、信頼性が高く安全なAIシステム構築に向け、アルゴリズムにおけるブラックボックス性の排除や、技術の説明可能性を高めることにも言及されている。
今後、医療AIの実臨床利用が加速することが確実視されるなか、技術単独の先走りを牽制する妥当な提言が含まれている。同レポートでは「キーとなる研究課題は、AIアルゴリズムの説明可能性と透明性の拡大」であることを重ねて明言しており、開発の中心となる企業・アカデミアへも一定の効果が期待される。