ニューヨーク・マンハッタンに所在するマウントサイナイ医科大学は、新しい人工知能研究センターを2021年に開設することを公表した。現在の医療革新の中核にある「AI」という世界的トレンドを追うもので、大規模病院を有しながら積極的なイノベーションを推進する同大の新しい目玉として注目を集める。
マウントサイナイ医科大学が11日公表したところによると、新しい研究センターでは、ゲノミクス・疾患モデリング・画像技術・新治療などに重点を置いたAI開発を進め、臨床試験におけるAI導入促進を図る。マウントサイナイ・ヘルスシステムのKenneth L. Davis医師(同CEO)は「AIにはヘルスケアを激変させる潜在能力があり、我々はこれを洗練させ、先導する立場を取りたい」と野心を隠さない。
2019年、世界でAIシステムに投じられる資金は358億ドルにのぼるとされ、これは2018年総額の44%増加にあたる(International Data Corporationより)。医療はAI活用余地の大きい巨大産業のひとつで、開発競争は日々熾烈さを増しているが、大学組織であってもこの例外ではない。