股関節の形状から変形性股関節症の将来発症を予測するAIアルゴリズム

オランダ・ユトレヒト大学の研究チームは、レントゲン撮影によって得られる股関節形状から「将来的な変形性股関節症の発症」を予測するAIアルゴリズムを構築した。研究成果はOsteoarthritis and Cartilageに先週公開された。

ベースとなるデータは、前向きコホート研究である”CHECK-study”(平均年齢56歳、84%が女性である1002名を8年に渡り追跡)に基づく。チームの開発した機械学習アルゴリズムは、単純レントゲン写真によって得られた股関節形状を、追跡期間中の変形性股関節症発症データからグレーディングするもの。このShape-Scoreは、検証フェーズにおいても単独指標として十分な予測力を持つことを示したという。

股関節形状のみで将来発症を予測できることは、予防的観点からの早期介入を実現し得る点で非常に意義深い。また、Shape-Score算出に高度な医療設備の導入を必要としないことも、日常診療レベルでの評価を可能としており、追加検証を重ねた上での実臨床利用と普及が期待される。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。