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ハーバード大学 医療AIにおける更なる法整備を求める

ハーバード大学法科大学院を中心とした研究チームは、医療におけるAI利用への安全性と倫理性保持のため、現在の法整備を大幅に更新する必要性を訴えた。報告は学術誌Scienceにて先週公開されている。

チームの研究報告では、FDAをはじめとした既存の審査機関から当初の承認を受けた後、AIアルゴリズムは明確な規制を受けることがないことの危険性を指摘する。つまり、構築されたアルゴリズムの実運用に際し、当初からは予見できないリスクを内包していることから、定期的に詳細な評価を加えることが欠かせないという。

アルゴリズムの精度は学習データの性質に大きく依存し、時として明確な偏りを示す(過去記事)。著者らは「規制当局が事前にあらゆるリスクを予測することは現実的でない。初期評価後のアルゴリズム変更を注視するのではなく、継続的なモニタリングとリスク評価に焦点を当てた法整備を行うべきだ」と主張する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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