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法医学領域における年齢予測のためのエピジェネティックモデル

法医学におけるDNA表現型解析は、未知の患者特性を生体材料から直接予測することを目的とした新興領域だが、老化プロセスが大きく影響するため信頼性の高い年齢予測法の開発が欠かせない。イタリアなどの共同研究チームは、機械学習アプローチによって新しいエピジェネティックモデルを構築した。

Journal of Forensic Sciencesに26日公表された論文によると、本研究では幅広い年齢層からイタリア人被験者を集め、5つの異なる遺伝子におけるメチル化マーカーからエピジェネティックな年齢予測モデルの構築を目指したという。42の選択マーカーのうち8つを含むリッジ線形回帰モデルが最も高いパフォーマンスを示した。83名における有効性の検証試験では、4.5年程度の誤差を持った年齢予測を実現していたとのこと。

外見的特徴からの目視での年齢予測は、事件・事故の種別などによっては極めて難しくなるケースがあり、この種の客観的予測法の確立は強く求められてきた。今後同種の研究蓄積によって更なる精度の向上と実用化が期待される。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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