医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患治療へのAI活用事例アクションゲームがADHD向けデジタル治療としてFDA認証を取得

アクションゲームがADHD向けデジタル治療としてFDA認証を取得

米食品医薬品局(FDA)は先週、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療を目的としたゲーム「EndeavorRX」について、デジタル治療として承認することを公表した。同ゲームはAkili Interactiveが開発したもので、ADHD患者に対する長期間の臨床試験を経てその有効性を示してきた。

FDAの公表によると、600人以上のADHD診断済みの児童に対して行われてきた複数の臨床試験の結果を踏まえ、今回の承認に至ったという。注意機能の改善が期待される同ゲームは今後、医師による処方としても患者に提供されることとなる。

ゲームベースで構築された治療法が、特定疾患に対してFDAの承認を受けるのは初めてで、今後同等の研究開発計画が加速することも予想される。成長分野として多大な期待を受ける「デジタル治療」における新たな旗手となるか、注目が集まっている。

なお、Akili Interactiveによるアナウンスはこちら。無作為化比較試験(RCT)の結果はThe Lancet Digital Healthにて公開されており、無料で全文を読むことができる。

TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事