オーストリアの研究チームは、急性の意識障害である「せん妄」を予測するため、機械学習を用いた予測アルゴリズムの構築に取り組んでいる。
Studies in Health Technology and Informaticsに23日公開された論文によると、既存のせん妄スケールであるConfusion Assessment Method(CAM)およびDelirium Observation Screening Scale(DOSS)の測定項目に基づき、効果的にせん妄を検出するための機械学習アルゴリズムを構築したという。複数のモデルによる検討を行ったところ、典型的な不均衡データセットであったにも関わらず、ランダムフォレストによって十分に高い予測精度が導かれたとのこと。
せん妄は高齢者によくみられる一過性の意識障害で、入院中に突然暴れだすなど適切な治療への深刻な妨げとなることもある。早期のリスク検出は安全確保と治療予後改善の観点から重要となるため、高い精度と実用性を兼ね備えた臨床スケールが求められている。