認知機能スクリーニングにおいて、時計描画テスト(CDT)は簡便かつ有用な手法として50年以上に渡って臨床現場で活用されてきた。米Linus Healthが提供するDCTclockは、CDTの単なるデジタル版ではなく、時計描画のプロセスさえも評価に加えることで、早期アルツハイマー病における微弱な変化を捉えることに成功している。
Linus Healthが14日明らかにしたところによると、米マサチューセッツ総合病院(MGH)が主導した臨床研究では、このデジタル版CDTの結果はアミロイド斑の有無と有意な相関を示すことを明らかにしている(研究論文)。実際、無症候である早期アルツハイマー病の検出に一定の効果を示しており、古典的試験への技術革新が新たな臨床ツールを生み出した形だ。DCTclockは、米食品医薬品局(FDA)におけるクラスⅡ医療機器の認証を既に受けている。
通常のCDTは描き上がりを評価するものだが、DCTclockはタスクプロセス全体をキャプチャし、AIによって手先の動きや空間パターン、描画特性などを分析することで認知機能障害における微弱な変化を検出することができる。
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