Amazonは遠隔医療サービスへの本格参入を表明し、業界に多大な影響をもたらした(過去記事「Amazon Careの激震」)。今夏全米50州へのサービス拡大を目指す同社について、これまでの足取りをまとめておこう。
1994年、ジェフ・ベゾス氏によってAmazonは設立された(当初は「Cadabra, Inc.」としてワシントン州に法人登記されている)。電子商取引の成長率を高く見積もったベゾス氏は、Amazon.comをオンライン書店としてサービス開始。その後小売業者の買収などを経つつ、海外展開も加速、1999年にはPCソフトウェアやおもちゃ、ゲームなども取り扱い製品に加えて規模の拡大を続けた。
2006年 – Amazon Web Services(AWS)を公開、クラウドコンピューティングプラットフォームの先駆けとなった。現在、世界シェアで第2位のMicrosoft Azureを大きく引き離している。
2011年 – 全米で3万人をフルタイム雇用。
2018年 – Amazon Comprehend Medicalと呼ばれるクラウドベースのサービス提供を開始した。機械学習によって、医師の臨床メモや各種レポート、患者記録などの非構造化医療文書から有用な情報を抽出する同サービスは、ヘルスケア業界にAIの本格到来を意識させた。
2019年 – オンライン薬局であるPillPackを買収、またデジタルヘルスケアサービス用のAPIを開発するHealth Navigatorも買収した。さらに、英国民保健サービス(NHS)とのパートナーシップを公表した(過去記事「ヘルスケアに加速するAmazon – 個人健康情報は商用利用されるのか」)。
2021年 – Amazon Careの本格展開を開始、オンラインで処方薬の注文受付と配送を行うAmazon Pharmacyとの抱き合わせによって、強力な遠隔診療プラットフォームが実現されようとしている。
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