米カリフォルニア大学バークレー校(UCB)の研究チームは、高度の敏捷性を有する昆虫サイズのロボットを開発した。これは複雑な地形を横断して捜索・救助を補助することや、ガス漏れ探査などの危険な調査活動を代替できる可能性があるとしている。
UCBがこのほど明らかにしたところによると、静電接着と呼ばれる技術を利用し、ロボットの敏捷性と旋回性を高度に確保しているという。これによって、ほとんどの昆虫を上回る求心加速度での旋回を実現する。また、ロボットは「電圧を加えることで曲がる」という薄い層状材料で構成されており、シンプルなデザインであるために頑丈で、120ポンド(約54kg)の人間に踏まれても破壊されないとする。
UCBで機械工学分野の教授を努めるLiwei Lin氏は「大型ロボットに巨大なバッテリーと制御システムを搭載することは何も問題ない。ただしこれを小さなスケールに縮小するのは非常に困難で、一般的にはサイズに比べて重量が大きく緩慢な動きのものが得られやすい。我々のロボットは非常に速く強力かつ小型で、電力をほとんど必要としない」と大きな自信を示している。多数の傷病者が発生する災害現場はもとより、日常臨床を含めた医療用途への活用にも期待が大きい。なお、実際の動作映像はこちらを参照のこと。
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