遺伝子検査の発達により、BRCA1/2遺伝子変異のように、乳がんハイリスク者の効果的なスクリーニング手法が提唱されている。それらハイリスク者に対しては、乳房MRIが各種ガイドラインで推奨されているが、検査適応のさらなる拡大は読影医にとって業務負担の著しい増加ともなりかねない。米 Qlarity Imaging社は乳房MRIの診断補助AIを開発し、放射線科医のパフォーマンス向上に貢献しようとしている。
Qlarity Imagingの2日付ニュースリリースでは、同社の診断用AI「QuantX」を、英Blackford社のプラットフォームに統合する提携が発表されている。プラットフォームのマーケットプレイス上での展開によって、導入障壁・コスト・メンテナンス・サポートといった各種要件が緩和される。
QuantXは乳房MRI領域でFDA認可を受けた先駆けで、承認時の臨床試験では放射線科医の乳がん見逃しを39%削減し、診断精度を20%向上させたと発表している。Qlarity Imaging社CEOのJon DeVries氏は「放射線科医の燃え尽きの現状を考慮すると、技術的進歩が必要かという問いではなく、どのように導入すれば最大の価値が得られるかということが問題だ」と語る。そのような観点から、画像診断AIを開発する各社にとって、プラットフォームとの提携戦略がトレンドとなっている。
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