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臨床意思決定支援プラットフォーム「RecoverX」 – 米国医師会からスピンアウト

米国医師会(AMA: American Medical Association)が母体となっているシリコンバレー拠点のヘルスケア企業「Health2047」は、スタートアップを次々にスピンアウトしている。AMAは医療AIの開発責任についての方針を年次総会で採択するなど、AIと医師の新進的な関係性に取り組む姿勢を見せている(過去記事)。

AMAの4日付リリースでは、Health2047が2021年内で4番目、全体では9番目にスピンアウトしたスタートアップ「RecoverX」を紹介している。RecoverXは、30以上の専門分野で医師の臨床意思決定をサポートするAIプラットフォームの開発を行っている。そのコンセプトとして、音声変換・ライブメモ・ワンクリックアクションなどで医師の行動にリアルタイムで反応し、患者との会話や検査結果などの情報から、医師に鑑別診断や除外診断あるいは次に行うべき検査などを提示する。

プラットフォームのエビデンスを強化するものとして、最新のガイドラインや専門家の意見を医療機関に提供するサービスのひとつ BMJ Best Practiceと提携している。RecoverXの創設者Carl Bate氏によると、「従来型の意思決定支援技術と本プラットフォームとの違いは、医師が情報を探しに行くのではなく、情報が医師を見つけるのを助ける点にある」と述べている。医療への社会的要求が指数関数的に増加するなか、情報面の課題解決は持続可能な医療モデル構築に必須として、同社は真に医師に求められるプラットフォームの開発を目指している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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