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COVID-19を巡る臨床的意思決定を支援するAI

SARS-CoV-2ウイルスへの感染によって引き起こされるCOVID-19は現在、世界各国で猛威を振るい続けている。米カリフォルニア州立大学(CSU)ロサンゼルス校の研究チームは、大規模な患者データセットを利用し、COVID-19による死亡を予測する機械学習モデルを開発した。

Smart Healthから電子版が公開されたチームの研究論文によると、146カ国、260万を超える患者データセットからこの予測モデルを導いたという。用いた機械学習モデルはサポートベクターマシンや人工ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、決定木、k近傍法、ロジスティック回帰などで、最も優れたモデルでは精度89.98%での死亡率予測を実現していた。

患者基本属性や症状、既往歴、検査結果等から死亡率を予測するこの機械学習モデルは、特に医療システムが逼迫した際の「データドリブンな意思決定」を支援するものと期待される。なお、処理後のデータセットおよびコードは、研究コミュニティによる利用を想定し無償で公開されている

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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