Treatment社 – 医学生の診断能力をAIで改善

医療AI開発を手掛けるTreatment.com International社はこのほど、米ミネソタ大学メディカルスクールと協力し、同社AIエンジンによる「医学生の診断能力改善」に取り組んでいることを明らかにした。

MERLINと呼ばれるこのAIエンジンは、患者の症状提示に基づいてプライマリケアにおける重要疾患の鑑別を行うことができる。Treatment社が12日公表したところによると、メディカルスクールの教科書的な症例に対してAIシステムをテストするとともに、医学生はAIエンジンに対して自身の知識を試す機会を得て、プライマリケアの診断評価に対する理解を深められるという。主としてメディカルスクールの3・4年次学生が対象となる本検証では、MERLINの医学教育現場における性能評価を通して、活用シーンの拡大、およびさらなる精度向上を図る。

Treatmentの最高医学責任者であるKevin A. Peterson医師は「プライマリケアの多くは上位500の疾患に集約される。これらの疾患を自信を持って評価し、治療することができれば、国民全体の健康が向上するはずだ」と述べ、MERLINが医学教育に果たす役割の大きさに自信を示している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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