米マウントサイナイ医大 – AIヘルス学部を新たに創設

マウントサイナイ医科大学はこのほど、次世代の優れた医療科学者を育成し、医療システムの随所に「有効なAIフレームワークを確立」することを目指した新しい学部の設立を公表した。全米屈指の名門医大が示した先進的なプロジェクトは、業界の大きな注目を集めている。

同大学の発表によると、「Department of Artificial Intelligence and Human Health」と名付けられた新学部は、医学とコンピュータサイエンスのさらなる融合を目指したカリキュラム構成を取る。ヘルスセクターでのAIについて包括的な知識体系を構築することを狙い、機械学習の理論、医療機器やロボット機器、センサーを用いたデジタルヘルスなどの最先端技術を取り扱う。また、これらのコースやセミナーに加え、医学生が1年間に渡ってAIプロジェクトに取り組むことができるAIフェローシップも用意される。さらに、マウントサイナイ医科大学では、すべての医療および生物医学分野において適用される、AIを活用した「インテリジェント・ファブリック構想」を持つ。これは随所にAIフレームワークを取り込む思想で、地域レベルでの生産性と意思決定支援、病院レベルでの戦略的意思決定、患者レベルでの個別サービス、等の質的向上を図るもの。 

学部長のThomas J. Fuchs氏は声明で、「人工知能を監視やプロパガンダのために悪用するディストピア的な手法には、今後も積極的に反対していかなければならない。だが、医療分野では既に、AIを使わないために患者が亡くなっていることさえ明らかだ」と述べ、AIの価値は基礎的な有効性の議論を超え、適切な臨床実装の方法を検討するフェーズにあることも強調している。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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