パーキンソン病(PD)は運動機能障害を主症状とする進行性の神経疾患で、病勢や治療効果を長期的にモニタリングする必要がある。客観的な運動機能データをよりきめ細やかに収集するため、コンピュータのキーボード操作時における「PD患者の指の動き」をモニタリングするソフトウェア「neuroQWERTY」がnQ Medical社によって開発・検証されている。
Parkinson’s News Todayでは、nQ Medicalが現在募集している臨床試験を紹介している。今回の臨床試験にはパーキンソン病の診断を受けた約50名の患者を登録し、neuroQWERTYを各自のPCにインストールした上で、4週間にわたるモニタリングを行う。同ツールではキーボードを打つ速さや各キーにかかる圧力が測定され、AI/機械学習によってタイピングパターンが解析される。解析されたデータは、PD患者に一般的に使用されている評価指標と比較され、ツールの医学的価値が検証される。
neuroQWERTYの過去の臨床試験では、家庭でのタイピングパターン分析から、クリニックでの検査と同等に、初期のPD患者と健常者を判別できることが報告された。neuroQWERTYは「Breakthrough device」として2020年にFDAの指定を受けており、PDの画期的なデジタルバイオマーカーとして市場への早期投入が期待されている。
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