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台湾医療科技展より – AIベースのシャント狭窄検出装置

透析患者の血液アクセス用シャントが狭窄・閉塞するトラブルは日常的なものだが、それに対するチェック体制は、検査の煩雑さなどを理由に不十分となりがちである。2021年12月2日〜5日まで台湾で開催されたAPAC地域最大級の展示会「台湾医療科技展」では、台北医学大学台北市立萬芳病院が米Above Care社と共同開発した「AIベースの非侵襲的なシャント狭窄検出装置」が発表された。

開発されたシステムは、皮膚に装着する小型パッチデバイスからシャント血流音を録音し、クラウドプラットフォーム上にアップロードされたデータをAIが自動解析し、狭窄などのシャントトラブルを検出するもの。約20秒の検査プロセスで、診断の正確性は約90%としている。また、血流音から「シャントの状態変化」を予測する拡張機能も備えるという。

台湾における透析患者数、特に有病率は世界的にトップクラスであることは以前の記事でも紹介した(過去記事)。台湾全体で約12%の国民に慢性腎臓病がみられ、10万人規模の透析患者がいるなか、本デバイスのような簡便で利用しやすいポイントオブケア検査(POCT: Point-of-Care Testing)への需要は高い。台湾医療科技展の展示内容からは、同国で成長著しいデジタルヘルス領域の将来性が感じられる。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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