画像検査の読影レポートは医療者向けの専門用語と言い回しで記載され、「患者が自分自身の検査結果を理解し解釈できるようには作られていない」のが一般的である。米ニューヨーク拠点のヘルスケアスタートアップ Ezra社は、検査報告書の複雑な所見記述を、患者向けに簡略化し普遍的な用語に翻訳するAIシステム「Ezra Reporter」を発表している。
Ezra社のリリースによると、Ezra Reporterは機械学習ベースのソフトウェアで、検査報告書内の難解な記述所見を患者に分かりやすい非専門用語に変換し、その結果を専門家レビューを経た上で提供するというもの。Ezraは「全身MRIスキャンによる検診サービス」を主幹事業として業界を牽引しており、受診した会員がレポートをよりよく理解し自身の健康管理に積極的に役立てることを、新サービスの狙いとしている。Ezra Reporterはワークフローの短縮にも貢献し、スキャンから報告までの待ち時間を従来の7営業日から3営業日に短縮することも可能にした。
Ezra社は検診のあらゆる面にAIを導入し、すべての受診者がアクセスできる民主的なサービスの提供を目指している。AIの活用例は今回のレポートに限らず、煩雑な再診予約や長い待ち時間などに対し、受診者のストレスを軽減するためにも用いられている。「医療データは誰のものか」、そして医療者と一般患者との「情報の非対称性」という論点にも、Ezra社はAI技術による独自の取り組みを続けていく。
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