世界最大級の技術見本市「CES 2022(Consumer Electronics Show)」が1月5日〜8日まで米ラスベガスで開催中である。CESに出展中の韓国発スタートアップ「AI FOR PET」は、AI技術を用いたペットの総合ヘルスケアアプリサービス「TTcare」を提供している。ペットの健康管理にもAI利用と遠隔医療のトレンドが波及してきた。
AI FOR PETのリリースによると、アプリ「TTcare」はスマートフォンカメラでペットの目など身体の一部を撮影することで、疾患罹患の可能性を知らせてくれる。アルゴリズムのベースには、Scientific Report誌に発表された「畳み込みニューラルネットワークによるイヌの潰瘍性角膜炎の診断モデル」などがある。同研究では、表層性/深層性潰瘍の画像分類で90%以上の識別精度を達成したことが示されている。
TTcareは一般的なペットサービスではなく、韓国規制当局から「AIベースの動物用医療機器ソフトウェア」として認可された初めての製品でもある。今回のCES出展では「2022 イノベーションアワード」にも選出されている。ペットの疾患はオーナーの知識が乏しいことも多く、情報の非対称性が強い領域として知られる。TTcareは、疾患の増悪や合併症を早期に防ぐことで、不必要な通院による高額なペット医療費を削減し、ペットとオーナーが長く健康的な生活を送れるようサポートする。2020年に韓国でサービスを開始したTTcareは、2022年前半に英語でのサービス開始を予定し、世界中のペットオーナーへの製品提供を計画している。
関連記事: