JAMA Network Openから公表された新研究によると、米国の主要な地域医療システムでは、2020年末までに日常診療の大部分に遠隔医療の取り込みが進んだが、女性医師は男性医師に比べてより早期にバーチャルケアを導入していた可能性が高いことが明らかとなった。
米マサチューセッツ総合病院の研究者らは、12の病院を含む「Mass General Brigham」を通じて外来診療を行う全医師3,473名について、レトロスペクティブにそのデータを分析した。論文によると、そのうち13.8%がイノベーター、45.0%がアーリーアダプター、35.6%がマジョリティに該当した。特に若い世代にイノベーターとアーリーアダプターの割合が高く、男女比較では有意に女性の方が高かった。さらに外科医、および1928-1945年に生まれたサイレント世代の医師は、アーリーアダプターとなる可能性が有意に低いことも示された。研究チームは「一部の医師は他の医師よりも早く(遠隔医療への)移行を行っており、患者の医療アクセス等に影響を与える可能性がある」としている。
本研究は、新技術への適応において存在する医師の性差・世代間差を明確化したのみではなく、患者グループ間での公平な医療アクセスを確保するためには、バーチャルヘルスケアの導入、医師、患者パネル等の相互作用をさらに検討する必要があることを示唆している。研究者らは、米国医師の大多数が「永続的なバーチャルケアの拡大」に賛成しているとし、プライマリーケアは今後のイノベーションの焦点の1つになると結んでいる。
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