臨床現場における大量の文書作成業務は、「臨床医の燃え尽き」を助長する主要なリスク因子として知られている。米医療情報学会(AMIA)は、「2025年までに臨床医の文書作成負担を75%軽減すること」を目標に掲げ、必要となるこれらからのステップを明らかにしている。
「25×5」はAMIAのタスクフォースで、医療文書の作成負担軽減に関する目標達成を担う。コロンビア大学のSarah Rossetti氏が議長を務め、プロバイダー・ITベンダー・政策の3領域から、計20名以上の専門家によって構成されている。目標達成に向けた主要なアプローチは、官民組織からの提言によって「電子カルテやその他医療ITを最適化すること」となるが、タスクフォースは4つのテーマ(説明責任・エビデンス・教育・技術革新)について82の具体的な優先アクションをまとめ、報告書として開示している。
AMIAによると、「過去10年間、電子カルテの急速な普及に伴って、臨床記録のための文書作成業務が急増している」と指摘し、これが医師の燃え尽きや仕事満足度の低下、さらには医療ミスや院内感染の増加にもつながっているとする。既存技術の改善や、AIを含む先端技術の積極的な活用に加え、臨床文書をめぐる法規制の要件見直しの必要性にも触れており、臨床現場の現状を理解した上での現実的で有効な対策を求めている。
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