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AMIA 25×5 – 2025年までに「医師の文書作成負担」を75%軽減へ

臨床現場における大量の文書作成業務は、「臨床医の燃え尽き」を助長する主要なリスク因子として知られている。米医療情報学会(AMIA)は、「2025年までに臨床医の文書作成負担を75%軽減すること」を目標に掲げ、必要となるこれらからのステップを明らかにしている。

25×5」はAMIAのタスクフォースで、医療文書の作成負担軽減に関する目標達成を担う。コロンビア大学のSarah Rossetti氏が議長を務め、プロバイダー・ITベンダー・政策の3領域から、計20名以上の専門家によって構成されている。目標達成に向けた主要なアプローチは、官民組織からの提言によって「電子カルテやその他医療ITを最適化すること」となるが、タスクフォースは4つのテーマ(説明責任・エビデンス・教育・技術革新)について82の具体的な優先アクションをまとめ、報告書として開示している。

AMIAによると、「過去10年間、電子カルテの急速な普及に伴って、臨床記録のための文書作成業務が急増している」と指摘し、これが医師の燃え尽きや仕事満足度の低下、さらには医療ミスや院内感染の増加にもつながっているとする。既存技術の改善や、AIを含む先端技術の積極的な活用に加え、臨床文書をめぐる法規制の要件見直しの必要性にも触れており、臨床現場の現状を理解した上での現実的で有効な対策を求めている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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