米カリフォルニア州サンディエゴに所在するRady Children’s Institute for Genomic Medicine (RCIGM)はこのほど、集中治療を受ける重篤な乳幼児に関し、500の遺伝性疾患の治療指針を提供する臨床的意思決定支援ツール「Genome-to-Treatment(GTRx)」の性能試験結果を公表した。
GTRxは、13.5時間で完了する迅速全ゲノムシーケンス(rWGS)診断、およびカスタムラボ情報管理システム、分析パイプライン、などを統合した自動化疾病管理システムであり、急速な進行を来すものの有効な治療法が存在する500の遺伝性疾患を対象とする。Nature Communicationsに掲載された研究成果では、レトロスペクティブにシステムを活用した4人の幼児、およびプロスペクティブに活用した2人について、正しい診断と治療方針の策定に成功したとしている。
遺伝性の希少疾患は確定診断までに多数の専門家の関与と、平均5年に及ぶ確定診断までの道のりがあり、特に進行が早く適時的な診断と治療が求められるケースでは、最適治療の選択は容易ではない。小児急性期医療において前線の医師を助けるツールとして、システムへの期待は非常に大きい。
関連記事: