医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患治療へのAI活用事例遺伝性疾患の自動診断と急性期管理を担うAIシステム

遺伝性疾患の自動診断と急性期管理を担うAIシステム

米カリフォルニア州サンディエゴに所在するRady Children’s Institute for Genomic Medicine (RCIGM)はこのほど、集中治療を受ける重篤な乳幼児に関し、500の遺伝性疾患の治療指針を提供する臨床的意思決定支援ツール「Genome-to-Treatment(GTRx)」の性能試験結果を公表した。

GTRxは、13.5時間で完了する迅速全ゲノムシーケンス(rWGS)診断、およびカスタムラボ情報管理システム、分析パイプライン、などを統合した自動化疾病管理システムであり、急速な進行を来すものの有効な治療法が存在する500の遺伝性疾患を対象とする。Nature Communicationsに掲載された研究成果では、レトロスペクティブにシステムを活用した4人の幼児、およびプロスペクティブに活用した2人について、正しい診断と治療方針の策定に成功したとしている。

遺伝性の希少疾患は確定診断までに多数の専門家の関与と、平均5年に及ぶ確定診断までの道のりがあり、特に進行が早く適時的な診断と治療が求められるケースでは、最適治療の選択は容易ではない。小児急性期医療において前線の医師を助けるツールとして、システムへの期待は非常に大きい。

関連記事:

  1. AIにより脳性麻痺を早期発見
  2. 心電図モニタに匹敵する「非接触型新生児バイタルサイン検出システム」
  3. 「小児救急外来でのAI活用」を保護者は受け入れるか?

TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事