イヤホン型デバイスの技術進歩に伴い、ヘルスケア機能を内蔵したヒアラブルデバイスの普及が身近となってきた。米バッファロー大学の研究チームは、「耳の感染症などの異常を検出するイヤホン型システム」の開発を進める。
Association for Computing Machinery(ACM)が主催する国際学会MobiSysで発表された同研究では、「EarHealth」と呼ばれるシステムによって、イヤホンからチャープ信号(経時的に周波数が増減するもの)を発し、その音響を記録することで外耳道の状態変化を捉えている(プレゼン動画はこちら)。現在は3つの器質的異常「耳垢の詰まり」「鼓膜の損傷」「中耳炎」をモニターできる。92名の患者でシステムを検証したところ、82.6%の分類精度を達成した。
バッファロー大学コンピュータサイエンス・工学部准教授のZhanpeng Jin博士は「EarHealthによって、我々は効果的で安価、かつユーザーフレンドリーな方法で耳の健康状態をモニタリングする、これまでに類を見ないイヤホン型システムを開発した。異常の早期発見が多くの人々の健康を改善するだろう」と語った。研究チームは今後、耳毛や、鼓膜における炎症の既往といった他の要因がEarHealthの性能に与える影響を検証し、システムの改良を計画している。
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