皮膚がんは米国で5人に1人が生涯の内に発症し、早期発見による予後改善が課題となっている。実際、皮膚がんの一種であるメラノーマは、浸潤前の発見により「5年生存率が24%から99%まで向上すること」が期待される。米Sklip社は、スマートフォンカメラで皮膚がんの在宅トリアージを行うAIシステム開発を進める。
Sklip社はこのほど、同社の皮膚がんトリアージシステムが、その臨床試験について治験審査委員会(IRB)の承認を受けたことを発表している。同システムは、スマートフォンの背面カメラに装着するアタッチメント式皮膚鏡によって、ユーザー自身がほくろ病変の高精細画像を撮影することで、皮膚がんの初期兆候を95%以上の精度で特定する性能を持つという。また、在宅でのシステム使用は、皮膚科医を受診するまでの待機期間を平均6ヶ月間から10日間まで大幅に短縮する可能性を持つとする。
Sklip社は、米国で皮膚科医として開業しているAlexander Witkowski氏とJoanna Ludzik氏の夫妻によって設立され、米国の皮膚疾患診療に向けた革新的な技術とツールの導入を目指す。今回のIRB承認は、米国食品医薬品局(FDA)の承認審査に向けたステップの1つとなる。
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