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脳性麻痺児に対応するウェアラブルセンサー開発

脳性麻痺は、生後4週以前の早い段階に何らかの理由による脳損傷から運動障害を来す症候群である。脳性麻痺児は「1日の96%を座るか横になって過ごす」という統計もあるなど、運動機会の少なさが心血管疾患や代謝性疾患のリスク増加につながっている。豪・カーティン大学の研究チームは、脳性麻痺児向けに専用設計したウェアラブルセンサーを開発し、同患者群における健康増進に取り組もうとする。

カーティン大学の発表によると、同研究プロジェクトでは、他のウェアラブル製品では拾い上げられないような「脳性麻痺児の小さな動き」であっても正確に感知できる高感度センサーを開発している。本プロジェクトには、豪州の政府機関「National Health and Medical Research Council(NHMRC)」から150万ドル超の研究助成が行われた。

プロジェクトメンバーのDayna Pool氏は「FitbitやApple Watchのような市販製品の多くは、定型発達の成人に合わせて調整されており、小さな動きを拾うには感度が不十分だ。本研究の重要な出発点は、脳性麻痺の子どもたちの動きを正確に検知する手法の開発である。より頻繁に身体を動かす機会を提供することは、子どもたちの短期的・長期的な健康に大きく貢献する」と語った。

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