電子カルテのパーソナライゼーション

米ミズーリ州カンザスシティに本拠を置くRedpoint Summitは、医師ごとへの「電子カルテのパーソナライゼーション」を通して、電子カルテに費やす時間の効率化による燃え尽き症候群の発症軽減を狙う。

2021年に設立されたRedpoint Summitは1日、医師の電子カルテ使用パターンを捉え、個別最適化する新しいプロダクトのリリースを公表した。これは、AI分析による医師の評価と使用パターンの特定により、合理的なコンテンツの再構築を行うことで、電子カルテ利用に伴うフラストレーションと時間を削減するというもの。同社は、ネブラスカ州オマハのNebraska Medicineとパートナーシップを結び、製品開発と臨床評価を続けてきた。

米国医師会の公表によると「医師は、患者と対面で話す時間の最大で2倍をカルテ記録に消費している」という。電子カルテ周りの不効率を軽減し、いかに医師の燃え尽きを防ぐかは、近年の臨床現場における主要な課題の1つに挙げられている。

関連記事:

  1. 「半分以上のテキストが重複」- 電子カルテの構造的問題
  2. COVID-19は「臨床医が電子カルテに費やす時間」をさらに長くさせた
  3. Regard社 – AIによるワークフロー改善で医療者の燃え尽きを防ぐ
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事