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メンタルヘルスケアにおける「コンテンツレコメンド」

メンタル領域におけるデジタルヘルスを推進するHeadspace Health社は、ウェブベースのメンタルヘルスケアにおいて、「患者個々に最適なコンテンツを提供するためのレコメンドシステム」を実環境で検証した。研究成果は19日、JMIR Formative Researchから公表されている。

チームはスマートフォンアプリとして提供されるメンタルヘルスプラットフォーム「Ginger」において、2種のコンテンツレコメンドシステムを実装し、その効果の違いを検討した。1つ目は、アプリの開始時質問に対するユーザーの回答からコンテンツを推薦するもの、2つ目は実際のコーチングの会話記録、およびコンテンツ上への記述の意味類似性から、セッションごとにレコメンドを行うもの、となる。14,000人を超えるユーザーでの検証の結果、アプリの他セクションにおける平均完了率が37.3%であったのに対し、レコメンドセクションでは42.6%と有意に高率にコンテンツが消費されていた。また、会話ベースのコンテンツレコメンドは、開始時質問ベースのレコメンドよりも完了率が11.4%高く、ランダムレコメンドよりも26.1%高かった。また、年齢と性別がレコメンド方法の違いに敏感であることが観察され、ユーザーが35歳以上か男性である場合、パーソナライズされたレコメンデーションへの反応が高くなることが明らかとなっている。

チームは「有効なレコメンドシステムは、パーソナライズされたコンテンツとセルフケアの推奨を通して、デジタルメンタルヘルスケアのスケールアップと補完に役立つ可能性がある」としており、特に会話ベースのレコメンドアルゴリズムでは、コーチングセッション中に収集した情報に基づいた「ダイナミックなレコメンド」を行うことができ、治療過程でメンタルヘルスのニーズが変化することを考えると重要な機能であることを指摘している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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