EUと米国がAI協力を強化

欧州委員会と米国政府は27日、バーチャルで行われた式典において「Administrative Agreement on Artificial Intelligence for the Public Good(公益のための人工知能に関する行政協定)」に署名した。この協定は、サプライチェーンの安全保障から新興技術まで、いくつかの優先分野にわたる大西洋横断協力のための常設プラットフォームとして2021年に発足した「EU-米国貿易技術会議(TTC)」の文脈で締結されたものとなる。

欧州委員会の公表によると、ここでは信頼性を測る指標やリスク管理手法など、AI技術の重要な側面についての共同ロードマップを承認している。AIロードマップに基づき、米国とEUの行政府は、気候変動や自然災害といった世界的・社会的課題に対処できる可能性を持つAI研究を特定・開発するため、協力関係を強化するが、5つの最優先分野には「ヘルスケア」も含まれている。現時点で、大西洋を越えて個人情報を含む大規模データを共有するための法的枠組みは存在しないが、今回の協定を基にした「EUと米国のデータ資源共有」の可能性が指摘されている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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