Google Healthは14日に開催された年次イベント「The Check Up」の中で、医療用大規模言語モデル「Med-PaLM」の最新版を公開したことを明らかにした。Med-PaLMは、昨年末にGoogleが発表したもので、医学的な質問に対して正確かつ高品質な回答を生成することを目的とする。Med-PaLMは、米国の医師免許試験と同等の多肢選択式問題において、60%以上の合格点を達成した初めてのAIシステムとしても知られている。
Med-PaLMのアップデートバージョンでは、同種の試験問題において「常にエキスパートレベルの成績を収めた」としており、以前バージョンと比較して有意に18%以上の精度向上を実現し、正答率は85%以上を達成したという。Med-PaLMの回答には、事実の正確さや偏り、有害性の程度を判断するための徹底的な精査が行われており、現時点でも特定の医学的質問においては、臨床医と同等の回答精度、あるいはそれ以上に詳細な情報提供が可能となっている。一方、Google Healthのリサーチャーらは「あらゆる質問において完璧な状態とは言えない」ことも認めており、「消費者がこの技術にアクセスできるようになるにはまだ時間を要する」としている。
責任ある倫理的な方法でのアプリケーション提供が実現したとき、医師・患者関係には少なからず変化がもたらされることが想定され、特にスクリーニングや初期診断、治療方針策定、セカンドオピニオンのあり方などは激変する可能性があり、事態の推移には大きな注目が集まっている。
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