AI技術を利用した学習体験は、教育プロセスのさらなる個別化を可能とし、医学教育においても革新が期待されている。英国民保健サービス(NHS)の医師らによる新たな研究では、世界中の医学部カリキュラムにおけるAIの役割を評価し、現状の教育手法と比較するためのシステマティックレビューが行っている。
オープンアクセスジャーナルのCureusで公開されている同研究では、「医学部教育におけるAI」に特化してスクリーニングした11報の研究論文を対象に、内容の詳細な分析を行っている。ここから得られた知見として、「AIの性能は人間の関与と相乗効果をもたらすため、医学部カリキュラムを補完する手段としてAIを採用することは理想的である可能性」が示唆されている。
従来の教育手法と直接比較した研究では、AIの導入による良好な成果が示されているものの、研究数は限られており、研究の質にも改善の余地があると著者らは指摘している。また、AIベースの教育ツール導入は新たな経済的負担を伴うため、特に開発途上国の医学部教育にとっては障壁となり得るという課題も、実装に向けた検討事項として論じられた。
参照論文:
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