米マサチューセッツ州ボストンに所在するベスイスラエル・ディーコネス医療センター(BIDMC)の研究者らは、ChatGPTなどの生成AI技術が「複雑な診断事例を解決しようとする臨床医の支援ツールとなり得ること」を実証した。研究成果は15日、JAMAからレター論文として公開されている。
チームの論文によると研究者らは、教育目的にNew England Journal of Medicineに掲載された患者症例セットとしての「clinicopathological case conference(CPC)」を用いて、GPT-4の診断支援能力を調査した。CPCには、関連する臨床データや血液検査データ、画像検査、病理組織所見を含む、診断が複雑で難しい一連の症例が収められている。70例のCPCを評価したところ、27例(39%)でGPT-4はCPCの最終診断と完全に一致していた。また、64%の症例で、最終的なCPC診断がGPT-4の鑑別リストに含まれていたという。
論文のファーストオーサーでBIDMCの医師であるZahir Kanjee氏は「チャットボットは、訓練された医療専門家の専門知識と経験を置き換えることはできないが、生成AIは、診断における人間の補助として有望な可能性を秘めている」と述べた。
参照論文:
Accuracy of a Generative Artificial Intelligence Model in a Complex Diagnostic Challenge
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