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医学生は医療AIに何を期待し、何を学びたいか?

医療分野でのAI利用が急速に進むなか、医師を目指す医学生たちはAIについてどの程度理解し、その適用をどう評価しているか。また、研修に何を期待し、カリキュラムに何を取り入れるべきと考えているのか。これらの疑問に対して、ドイツのテュービンゲン大学の研究チームは、「医学生のAIに対する認識と教育に対する期待」についての調査を行った。

medRxivで公開されている同研究では、ドイツ国内の58名の医学生を対象にアンケート調査を行っている。医療AIに関する信頼性を5段階の尺度で評価すると、「AIは頼りになる」「技術的に有能である」と感じる一方で、「特別に信用できるとは感じていない」との結果が得られた。医学生たちは「医療AIの可能性に興味を持ち」「もっと学びたい」と考えており、特にAIの「操作方法」「倫理」「適用分野」「信頼性」「リスク」に関する教育を支持していた。

研究者らは、「AIの急速な進歩と、医療分野での可能性を考えると、医学生が医療AIに対して強い関心を持つのは驚くべきことではない」と述べている。さらに、「医学生が将来の臨床でAIを効果的かつ倫理的に利用するための知識とスキルを身につけ、アルゴリズムの限界と潜在的な偏りを理解することが重要だ」と説明している。

参照論文:

Medical Students’ Attitudes toward AI in Medicine and their Expectations for Medical Education

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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