睡眠障害の検査として広く知られる睡眠ポリグラフ検査は、睡眠中の脳波、呼吸、眼球や四肢の動きなどの多岐にわたる生体信号を精密に記録する手法である。これらのデータの専門的解析は、1件あたり数時間を要することもあり、労力と時間の面での課題が指摘されてきた。韓国のHoneyNaps(過去記事参照)は、睡眠障害解析のためのAI「SOMNUM」が米食品医薬品局(FDA)の認可を取得したと発表している。
SOMNUMのAI技術は、従来のビデオ画像ベースで信号を読み取るシステムに比べ、睡眠中の生体信号のリアルタイム解析において著しく高い能力を持つことが示されている。その成果は、直近の国際学会 Sleep 2023でも発表されている。睡眠中の複雑な生体信号に関して、人間の解析レベルに匹敵する結果をAIが出力することは、非常に高い技術的課題を伴うとされてきた。
HoneyNapsのCEOであるTae Kyoung Ha氏は「当社は米国市民を含む400名の被験者を対象とした臨床試験を検証段階から実施し、3年の歳月をかけてFDAの審査を通過した。このFDA承認を契機として、循環器疾患や神経筋疾患の診断機能の追加など技術を強化し、世界市場への展開をさらに加速したい」と語った。
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