医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例最新医療AI研究All of Usから新たに2億を超える遺伝子変異

All of Usから新たに2億を超える遺伝子変異

多様な個人における「疾患の遺伝的基盤を包括的にマッピングすること」は、遺伝学分野の長年の目標だった。「All of Us Research Program」は、生物医学研究を加速させ、人々の健康を改善するために、米国全土の少なくとも100万人の多様な集団を登録することを目的とした、縦断的コホート研究として知られる。

このほどNature誌に掲載された研究論文では、All of Us Research Programデータセットから、これまで報告されていなかった2億7500万以上の遺伝子変異を同定したことを報告している。All of Usリソースはその多様性においてユニークなものであり、参加者の77%は生物医学研究において歴史的に十分な取り扱いがみられなかったコミュニティ出身者であり、46%は十分な取り扱いがなされていない人種的・民族的マイノリティ出身者となる。All of Usは10億以上の遺伝的変異を同定し、その中には2億7500万以上の未報告の遺伝的変異が含まれた。ゲノムデータと縦断的な電子カルテとのリンケージを活用し、117の疾患と関連する3,724の遺伝子変異を評価し、ヨーロッパ人の祖先を持つ参加者とアフリカ人の祖先を持つ参加者の両方で高い再現率を示した。

これまでの大規模ゲノム研究の参加者の90%以上がヨーロッパ人の祖先を持つ人々であり、AIアルゴリズム開発を含む精密医療における健康の公平性を巡る重大な懸念につながっている。All of Usでは、サマリーレベルのデータは一般に公開されており、個人レベルのデータはAll of Us Researcher Workbenchを通じて研究者がアクセスすることができる。All of Usは医学研究への参加機会を促進し、医学研究に対する認識向上とアクセスの改善を実現するものとして期待されている。

参照論文:

Genomic data in the All of Us Research Program

関連記事:

  1. メイヨークリニック – ゲノムシーケンスを日常診療に
  2. 人種間の「ゲノムデータ格差」
  3. MDアンダーソンがんセンター – 腫瘍学データサイエンス研究所を設立
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事