米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターは、がん医療の変革を目指し、先進的な計算アプローチと臨床専門知識を組み合わせた「MD Anderson Institute for Data Science in Oncology(IDSO)」を新設する。
IDSOの研究者たちは、AIを含む様々なデータ解析、計算アプローチを用いて、医療システムの膨大なデータの活用方法を強化する。これによる新たな医学的発見の促進、ケアの個別化、ひいては患者体験の向上と最適化を志す。同研究所は、まず5つの優先研究分野に取り組むとしている。これは、1. 病理学および医用画像からの定量的分析と洞察、2. 単一細胞解析とデータサイエンスを通じた多細胞相互作用、3. 精密医療の発見と開発、最適化のための計算モデリング、4. 人と社会の健康に関する公平な意思決定分析、5. アクセス、安全性、質を高める自動化アプローチの開発、となる。これらの重点分野をサポートするため、IDSOはゲノム医学、放射線腫瘍学、画像物理学、トランスレーショナル分子病理学の専門家と緊密に提携しており、今後も他分野の研究者を積極的に採用し、また育成していく方針を明らかにしている。
学長のPeter WT Pisters氏は「IDSOは、MDアンダーソンをがん治療、研究、臨床業務におけるデータサイエンスのリーダーと位置づけるものになる。その革新的なプログラムは多くの場合、がん撲滅という課題に適用されるデータサイエンスの第一世代となるだろう」と述べた。
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