乳がんに対する超音波検査は、マンモグラフィによるスクリーニングおよび診断を補完する役割を果たしている。ベッドサイドに携帯できる超音波検査装置は、特に医療資源の限られた国・地域にとっては、費用対効果の高く価値あるポイントオブケア診断ツールとなり得る。米iSono Health社は、「乳がんの早期診断によって女性の命を救う」というビジョンを掲げ、ウェアラブルで全自動の3D乳房超音波診断装置「ATUSA」を開発している。
iSono Healthは、ATUSAが米食品医薬品局(FDA)の臨床使用認可510(k)を取得したことを発表している。ATUSAシステムは胸部に装着したウェアラブル超音波デバイスによって、乳房全体を2分で自動スキャンして3D画像を生成することができる。検査者が「測定に際する専門知識を要さない」ことも大きな特徴となる。また、同製品は診断支援のためのAIツールを統合しており、乳房内の病変の特定と分類を行う深層学習モデルの臨床的有効性をさらに検証するため、現在前向き研究を進めているという。
iSono Health社は、乳がん検診で高濃度乳房(デンスブレスト)による検査不適合の経験を共有する2人の女性エンジニアによって設立された。同社CEOのMaryam Ziaei博士は「世界中の臨床医と女性は、熟練したオペレーターを必要としない高品質の乳房イメージングを必要としている。ATUSAシステムはこのニーズに応えられる製品だ」とコメントしている。
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