緩和ケア分野におけるAIやモバイルアプリを含むデジタル技術の応用状況は、これまで体系的に整理されていなかった。中国の研究チームは、緩和ケア領域におけるデジタル技術介入の現状を俯瞰し、AI活用の現状と課題を明確化することを目的としてスコーピングレビューを実施し、その成果をBMC Palliative Careに発表した。
研究チームはPubMed, Web of Scienceなど複数のデータベースを対象にスコーピングレビューを実施し、緩和医療領域で報告されたデジタル技術介入に関する研究を網羅的に抽出し、21件の研究を解析対象とした。デジタル技術としては、Webプラットフォームやモバイルアプリが最も多く、その他にテレメディシン、バーチャルリアリティ、ウェアラブルデバイス、AIの応用が含まれていた。デジタル技術の応用目的としては、患者への健康教育、バイタルサインのモニタリング、心理的ケアや症状管理を目的とした介入が多数を占める一方で、機械学習や自然言語処理を用いたAIの導入例は限定的であった。
本研究では、緩和医療におけるデジタル技術の現状を整理し、AIやビデオ診察を用いたオンライン診療、症状のモニタリング、治療意思決定支援の応用が限定的であることを明らかにした。筆者らは「高齢者ではデジタル技術の使用経験が不足しており、介入の障壁となりうる」と指摘し、そのため医療スタッフは患者情報を適切に選別し、情報の質を保ちつつ過剰な情報提供を避ける必要があると述べている。
参照論文:
Application of digital technology intervention in palliative care: a scoping review
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