近年、AIの台頭によりヘルスケアにおける技術革新は急速に進んでいるが、臨床現場への応用はまだ限定的と言える。一方、米国のローカル病院など、リソースが十分でない医療現場においては、積極的なAI利用により業務効率の改善を図るケースが見られるようになってきた。
米WMBF Newsの報道によると、Conway Medical Centerでは、患者カルテや各種検査結果などが集約される電子診療録(EHR)にAIシステムを導入しており、敗血症など重篤な疾患の発生リスクを医療者に警告できるようになっているという。システムはヒューマンエラーの回避を望めるほか、適切な早期介入の実現によって患者の予後を直接的に改善することができる。
コンサルティングファーム・Accentureのレポートでは、米国でのヘルスケア領域におけるAI活用により、2026年までに年間1500億ドルのコストカットが見込めるとの推算を示している。積極的な先端技術の活用が、医療経済システム向上のための突破口となるかもしれない。