米ドナルド・トランプ大統領は11日、AI開発促進を図る大統領令「American AI Initiative」に署名した。中国の加速するAI技術向上に対抗したもので、今後AI分野への優先的な投資拡大が見込まれる。特にヘルスケアにおけるAI技術開発は重点分野の1つと考えられ、企業・大学の新規参入も大幅に増加する見通しだ。
米Popular Scienceは、カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学部のTom Mitchell暫定学部長のコメントとして「キーとなる領域は医学分野で、AIは既に多くの成果を示しているが発展の余地も多大にある。政府が特に注力すべきは、患者の個人情報を守りながら大規模データの利用を促進する方法だ」と報じている。
米国での医療記録は施設単位での管理に終始することが多く、医学研究利用を前提とした組織横断的な大規模データベース構築は非常に難しかった。これは技術的問題ではなく、法規制を含めた体制の問題であったため、今回の大統領令をもって事態が好転することも期待されている。CNNは「中国が緊張感を持って事態を注視」していることを指摘し、両国の覇権争いは熾烈を極めようとしている。