ヘルスケアデータは高度の個人情報として、その取り扱いには最大限の配慮がなされている。IBMによる研究報告では、そういったヘルスケアデータの漏洩に伴うコスト負担はその原因に関わらず、1回あたり平均392万ドル(約4億2千万円)にもなることを明らかにした。
IBM News Roomの報道によると、IBM Securityの年次報告では、この5年間にヘルスケアデータ漏洩に伴うコスト負担は12%の増加となり、結果として1回漏洩あたり平均で392万ドルに及ぶという。近年、漏洩後の経済的影響は複数年に渡って続く傾向となっており、これには「関連法規制の強化」や「悪意あるサイバーアタックのプロセスの複雑化」と完全解決の長期化が背景にある。
医療AIの急速な発達は、良質なヘルスケアデータベース構築の必要性をこれまでになく高めている。医療AI開発を進める企業群にとって、このような大規模で質の高いデータの保有はまさに金脈とも言える一方、その管理には巨大なリスクが潜むことを示唆している。