米ネバダ州リンカーンに所在するBryan Medical Centerでは、リハビリ部門の入院患者における転倒事故を防止するため、AIによるカメラモニタリングシステムを導入している。
Modern Healthcareの報道によると、同センターは3年前からOcuveraとの提携によって、モニタリングシステムの導入と実運用を進めてきたという。20万時間に及ぶ映像から学習したAIシステムでは、患者の動き・毛布の位置などをレビューすることで「患者がベッドから立ち上がろうとするリスク」を予測し、看護師らのスマートフォンにアラートを送ることができる。体重ベースの感圧センサーによる警告システムなどに比べ、単なる寝返りや、本に手を伸ばすだけの動きで誤警報を発する可能性も大幅に削減されているとのこと。
ECRIに記録される患者インシデントの約10%が「転倒」であり、特に身体機能障害や認知機能障害を伴う患者が主体のリハビリ部門では、転倒リスクが極めて高くそのコントロールは重要な課題と言える。患者自身による無理のある離床を事前に捉えることで、医療者による適切なサポートが転倒予防に繋がる可能性は高く、臨床現場における知見集積に期待が大きい。