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Innersight Labs – AIによる3Dモデルで外科医をサポート

英King’s College LondonはAIホスピタル構想を強力に推進し、London Medical Imaging and AI Centre for Value Based Healthcareでは、国民保健サービス(NHS)との連携により医療画像を中心とした多彩なAI研究を展開する。同センターとパートナーシップを締結し技術提供を行うInnersight Labsは、独自の3D解剖モデルによって外科医の手術支援を行っている。

King’s College Londonの6日付ニュースリリースによると、Innersight Labsが開発したInnersight3Dは、CTおよびMRI画像からインタラクティブな3D解剖モデルを構築できるAIソフトウェアで、既に複数の臨床導入を実現しているという。実際の構築済み3Dモデルはこちらから参照できる。サンプルは腎臓周囲の構造を示すが、血管走行や臓器間の位置関係などをあらゆる方向から観察することができ、事前の手術計画をより詳細かつ効率的に立案できることが分かる。

Innersight Labs CEOのEoin Hyde氏は「新型コロナウイルス感染症による危機拡大により、一部のがん手術は数ヶ月単位で延期され、この期間に腫瘍サイズは2倍になる可能性さえある。この深刻な遅れは手術の複雑化をきたし得るが、Innersight3Dは外科チームの行う手術治療を最適化するための豊富な情報を与え、困難を克服する手助けとなる」とし、COVID-19によってもたらされた「preventable deaths」(防ぐことのできる死)への現実的な対抗策ともなることを強調する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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