医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例機械学習で膵臓がんの検診スクリーニングが現実的になるか?

機械学習で膵臓がんの検診スクリーニングが現実的になるか?

膵臓がんの生存率は、他のがんが年々向上しているのと対照的に、この数十年でほとんど改善されていないといわれる。膵臓がんは10万人あたり8-12人程度の稀な新規発症で、全人口を対象とした検診は非効率で多くの人を不要な検査にさらしてしまう。

膵臓がん検診を現実的なものとするため「機械学習を用いて膵臓がんの高リスク患者を診断20ヶ月前に予測する研究」が2020欧州臨床腫瘍学会(ESMO)に発表され、最優秀演題を受賞するなど高い評価を得た。

News-Medical.Netには、同研究を主導するLondon School of Hygiene & Tropical Medicineの研究員であるAnanya Malhotra博士のインタビューが掲載されている。パイロット研究では60歳未満の人で診断20ヶ月前に膵臓がんの高リスクを予測できるアルゴリズムが開発され、検診を行うべき患者を大幅に絞り込める可能性が示された。

同研究によって、AIによる膵臓がんスクリーニングが一歩現実に近づいたが、それでもまだ膵臓がんから1人の患者の命を救うために1500件の検査が必要と推定されている。Ananya Malhotra博士によると、喫煙や糖尿病など重要な変数からアルゴリズムを改良して、費用対効果面での改良と評価を目指しているという。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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