ノルウェー・ハウケラン大学病院の研究チームは、「遺伝性乳がんおよび卵巣がんに関する遺伝カウンセリング」のためのAIチャットボットを構築し、検証している。遺伝カウンセラーや臨床遺伝学者、エンジニア、患者、などの多様なメンバーで構成される学際的研究チームが提唱する「遺伝カウンセリングの新しい形」に大きな注目が集まっている。
Patient Education and Counseling誌から公開されているチームの研究論文によると、Rosaと呼ばれるこのAIチャットボットは、商用のAIチャットボットプラットフォームをカスタマイズすることで2年間をかけて構築したという。遺伝カウンセリングの専門家、当事者ら計58名で意見を出し合い、2,257に及ぶ質問項目とその回答を設定した。患者向けの反復アプローチにより、開発プロセスにおける広範なユーザテストとユーザビリティテストを実施し、結果的には実証試験においても「チャットボットへの肯定的な態度」を有意に得られる信頼性の高いものとなった。
研究チームは「遺伝カウンセリングサービスにおいて、患者が遺伝カウンセラーに会う前の段階で、チャットボットが正しい情報を与えてくれる。これは、自身の環境でそれぞれのペースと時間で準備を行うことができるようになることを意味する」と述べ、チャットボット利用が患者と遺伝カウンセラーの双方にメリットがあること、患者ニーズに合わせた最適化カウンセリングが可能となることを強調する。AIチャットボットが遺伝カウンセリングにおける重要な伴侶となるか、今後の展開への関心は尽きない。
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