声を失った患者向けの読唇術AIアプリ「SRAVI」

唇の動きから音声を読み取る「読唇術(口話)」をAI技術によって実用化する動きが進んでいる。北アイルランドに拠点を置くLiopa社は「SRAVI(Speech Recognition Application for the Voice Impaired)」という読唇術アプリを開発している。

Liopaの18日付リリースでは、SRAVIが初めての商業契約を英Royal Preston Hospitalと結んだことを発表している。SRAVIは気管切開や咽喉手術後、脳卒中、麻痺、外傷といった様々な状態の患者を支援するために開発された。患者がスマートフォンのカメラに向かって唇を動かすと、SRAVIアプリは唇の動きをAI技術で認識し、音声として読み上げる。同社によると「登録したフレーズリストからの認識精度は90%以上」を謳っている。導入病院ではICUなどで入院患者向けに使用が許可され、患者・家族・医療スタッフ間でのコミュニケーション改善が期待される。

実際の患者でのケースレポートとして、幼少期からの声帯麻痺と重症喘息によって気管切開を受けた33歳の患者例が報告されている。同患者は筆談という手段よりも、口話を読み取るSRAVIアプリに対する満足感を述べている。英国内外でのアプリ導入に向け、Liopa社には北アイルランド投資庁からの289,423ポンド(約4560万円)をはじめとした各所からの資金提供が続く。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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