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超高速シーケンシング技術がもたらす診断プロセスの変化

米スタンフォード大学、NVIDIA、Oxford Nanopore Technologies、Google、ベイラー医科大学、カリフォルニア大学サンタクルーズ校らの共同研究チームは、血液サンプルに基づく「全ゲノムのシーケンシングと解析」を超高速化する新技術を開発した。世界最速のDNAシーケンシング技術として、ギネス世界記録にも認定されている。

12日付でNew England Journal of Medicineから公開された研究論文には、手法の詳細が記述されている。研究者らは、Oxford NanoporeのPromethION Flow Cellsでのナノポアシーケンシングを使用することで、サンプル調整の迅速化を含め、パイプラインの工程すべての最適化を実現し、1時間あたり100ギガベースを超える塩基対データの生成を可能にしている。また、本試験ではGoogle Cloud上でNVIDIA GPUを用いることにより、ベースコーリングとバリアントコーリングの両者の高速化を実現した。さらに、バリアントコーリング(ゲノム内に存在する数百万のバリアントを解析するプロセス)では、畳み込みニューラルネットワークを利用したDeepVariantによって高精度化するとともに、ゲノミクス計算アプリケーションフレームワークであるNVIDIA Clara Parabricksによる高速化も行われている。

一般にヒトの全ゲノムシーケンシング診断には現在6~8週間を要しており、所要時間が短い検査でさえ数日かかる現実がある。本技術による診断パイプラインの最適化によって7~10時間での診断を実現すると、臨床医は患者の治療計画に「遺伝レベルの情報」を現実的なタイムスパンで盛り込むことができるようになるため、特に一刻を争う重症患者において技術の恩恵は極めて大きい。NVIDIAの公表によると、同社のMehrzad Samadi氏は「我々は高速シーケンシング解析ワークフローを開発し、既に臨床的な成果が具体的に現れている。我々は今後も、このようなインパクトのある課題解決のために取り組みを続けていく」と述べている。

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