英サリー大学の研究チームは、抑うつ・不安・睡眠障害など、がん患者にしばしば見られる症状の発現と、その重篤度を正確に予測する機械学習モデルを開発した。がん患者の生活の質を大きく左右するこれらの症状を事前に予期することで、有効な治療・管理計画に結びつくことが期待されている。
医療メディアMediBulletinが1月1日に報じたところによると、研究チームは、放射線治療中のがん患者が持つ症状についてのデータをアルゴリズムに学習させ、今回の成果を得たという。サリー大学のPayam Barnaghi教授は、「このAIを活用することで、臨床医は症状発現リスクの高いがん患者を予測でき、生活の質向上に向けた具体的なプランが検討可能となる」としている。
近年のAIによるヘルスケア革新は目覚しいが、疾患診断に関する技術が中心であり、症状の発現予測に着目した研究は目新しい。英メディアScienmagの報道によると、共同研究者Nikos Papachristou氏は「AIは患者の生活の質や幸福にさえ、直接的に好ましい影響を与えられる」とし、成果の重要性とともにAIが持つ可能性の大きさを強調したという。